建築基準法に基づくシックハウス対策の概要

シックハウス症候群の発生要因

  1. 住宅に使用されている建材、家具、日用品などから様々な化学物質が発散。
  2. 住宅の気密性が高くなった。
  3. ライフスタイルが変化し換気が不足しがち。

建材から発散する化学物質

化学物質の室内濃度の指針値(厚生労働省)
化学物質 指針値※ 主な用途















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1.ホルムアルデヒド 0.08ppm 合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤等に用いられるユリア系、メラミン系、フェノール系等の合成樹脂、接着剤・一部ののり等の防腐剤
2.アセトアルデヒド 0.03ppm ホルムアルデヒド同様一部の接着剤、防腐剤等
3.トルエン 0.07ppm 内装剤等の施工用接着剤、塗料等
4.キシレン 0.20ppm 内装剤等の施工用接着剤、塗料等
5.エチルベンゼン 0.88ppm 内装剤等の施工用接着剤、塗料等
6.スチレン 0.05ppm ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等
7.パラジクロロベンゼン 0.04ppm 衣類の防虫剤、トイレの芳香剤等
8.テトラデカン 0.04ppm 灯油、塗料等の溶剤
9.クロルピリホス 0.07ppb
(小児の場合0.007ppm)
しろあり駆除剤
10.フェノブカルブ 3.8ppb しろあり駆除剤
11.ダイアジノン 0.02ppb 殺虫剤
12.フタル酸ジ-n-ブチル 0.02ppm 塗料、接着剤等の可塑剤
13.フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 7.6ppb 壁紙、床材等の可塑剤
※25℃の場合
ppm:100万分の1の濃度、ppb:10億分の1の濃度
19は建築基準法の規制対象物質
1〜6は住宅性能表示濃度を測定できる6物質
発揮性の有機化合物の沸点と分類


建材や塗料などから住宅の室内に放散して健康に害を与える化学物質を「揮発性有機化合物」と呼びます。全体としてVOCと総称されることもありますが、これはVolatile Organic Compoundsの頭文字をとったものです。WHO(世界保健機構)では揮発性有機化合物を揮発性の高さ(沸点)に応じていくつかに分類しています。

内装仕上げの制限(建築材料別)

内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材には、次のような制限が行なわれます。
建築材料の区分 ホルムアルデヒドの発散 JIS、JASなどの表記記号 内装仕上げの制限
建築基準法の規制対象外 少ない 放散速度
5μg/m2h以下
F☆☆☆☆ 制限なしに使える
第3種ホルムアルデヒド
発散建築材料
5μg/m2h
〜120μg/m2h
F☆☆☆ 使用面積が制限される
第2種ホルムアルデヒド
発散建築材料
20μg/m2h
〜20μg/m2h
F☆☆
第1種ホルムアルデヒド
発散建築材料
多い 120μg/m2h超 旧E2、Fc2 又は表示なし 使用禁止
※1 μg(マイクログラム):100万分の1gの重さ。放散速度1μg/m2hにつき1時間当たり1μgの化学物質が発散されることをいいます。
※2 建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし。

規制対象となる建材は次の通りで、これらには、原則としてJIS、JAS又は国土交通大臣認定による等級付けが必要となります。
木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上塗材など

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